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まったく、昼時はどこも騒がしくて

困るわね。

ここなら落ち着けそうだけど…。

よう、時子さんじゃんか。

そっちも今から休憩?

ええ。ここなら多少は落ち着けるかと

思って。案の定、分別のある人しか

いなくて助かるわ。

…とはいえ手元は騒がしいわね。

貴方、ここの部屋の名前はご存知?

こういう部屋でも仕事なんて…ねぇ。

ああ。新企画に向けた資料読み。

まだまだインプット足りてないし。

情報は生ものだし? 食えるウチに

急いで食っとく主義。そうしねーと

出遅れるだろ? 色々と。

少なくとも、

昼食には出遅れてるわよ。

知ってる。

どうしたもんかなってとこ。

ならば…………卓を囲む好機。

!!

なんだ、のあさんか。

びっくりした。

のあさんも休憩? 昼飯?

好機、ということは貴方もかしらね?

食の共有……それはイメージの共有。

私もまた、昼食の機を逃した者……。

あーなるほど。そりゃ妙案かもな。

仕事っつーか、このメンツでなんか

できねーかなって企画考えてたトコ。

アタシひとりで考えてるより、

ふたりの意見も訊きたいし?

パワーランチ、ありだね。

Violet Violence…

私たちが持つ、名のひとつ……。

そう、それ。前に組んだ時、

すっげーシナジー生んだっしょ。

次の企画に活かさない手はないよ。

…ひとつ言わせてもらうけれど、

貴方って、つくづく貪欲ね。

性分なんだよ。

ハングリーにガンガン攻めてくのが。

それは精力的で結構なことね。

けれど、私の趣味じゃないわ。

ハハッ、厳しいな。

まーでもアタシ若いんで。

ハングリーさが大切な時期なわけ。

時子さんも、お高くとまんないで

たまには汗水たらしてみるのも

いーんじゃねーの? 違う?

私の趣味ではない、というだけよ。

貴方の考えは否定しないわ。

貴方は私ではないでしょうに。

時子は…時子のやり方がある。

つかさには、つかさの。

もちろん、私には私の。

他者と同じ道は歩めない……。

ただ、同じ場所を目指すことは可能。

ユニット。

3人の異なる旅人が、

そう呼ばれることもあるでしょう。

……そういう考えもある、か。

OK。アタシはアタシの趣味でいく。

んで、ふたりはふたりの趣味でいく。

好きになさいな。

気に入ればつきあう、嫌なら断る。

それだけよ。

あと、貪欲さは嫌いじゃないわ。

趣味じゃないだけ。

特に、あからさまに見せるのはね。

つまり……

HUNGRY BUT NOBLE.

高貴に飢える……スタイル。

あーいいね。うん。

そのフレーズ、キャッチーだわ。

今すげーいいの、見えてきた。

では……行きましょう。

今は、体の飢えを満たすべき時。

んじゃカツカレー食おうぜ。

最強に美味しい店、教えてやるよ。

JK社長のお墨付きってやつ。

カツ、ね…。

私を満足させられる豚なのかしら?

そこは安心していいよ。

自信なかったら誘ってないね。

高貴に貪りましょう。

新たな着想…………それは、

満ち足りた食後に生まれる……。